セツケンにハマってしまった理由っていうのはね・・・


唐突だがワタシは本が大好きである。純石けんを使い始めるに当たっても本からはいったクチである。
ある日、石けん屋の経営者の書いた本を店頭で何気なく立ち読みしていた。
「ナマコの体重も増える・・・」・・・へ?は?何だそりゃ?本を読みすすんでいて目がテンになった。
どうやら、もにゃもにゃと白い石けんカスはナマコも好んで食べるらしいのだ。
グアムの観光バスではガイドさんが「ココのナマコは食べられませんが海の大掃除役です」と
話していたのを思い出したのだが、ワタシの地元で取れるナマコは酒呑みにはたまらないツマミである。
赤ナマコに青ナマコにオレンジがかったナマコの肝。薄く切ってダイダイをきゅきゅっと搾ってかける。
あ〜そういえば酒呑みだったじいちゃんも、うちの父ちゃんも好きだよな〜
ナマコが太っておいしくなるならいいじゃない♪なんだか一挙両得♪
実はワタシが石けん生活に入る突破口はコレだったのだ。
(あ、本は買いましたので、念のため (笑) )

ワタシは友人に言わせるとたいそう食いしん坊らしい。飲み会に出かけてもやたら食べる。
「一気呑みは辛いので、唐揚げ一気食いじゃ駄目ですか?」と先輩に聞いて大笑いされたこともある。
海から遠くに住んだことのないワタシは知り合いが釣りに出かけるのが楽しみだ。
当然 おすそわけ狙いである。春になるとアサリや生ワカメを貰い大喜びで食べている。

都会ならまだしも、下水道設備の整っていない田舎に住むと生活廃水が直接川や海へ流れ込む。
ワタシは何十年先もおいしいアサリを食べられるのかな?
春の柔らかい芽のワカメのしゃぶしゃぶ死ぬまで食べられるかな?
タコにイイダコに小アジにママカリ、シャコエビ、アナゴ あぁこれぞ瀬戸内の海の幸。
#いや、ホントはもっとあるんです、ちなみに。
ふざけてるのではなく本気でそんな事を考えた。
生きるということは食べるということだと常々ワタシは思っているのだ。

子供の頃、東京湾の浅瀬に遊びに行ってうれしさのあまりオニュウのハンドタオルを海につけた。
・・・真っ赤な地色に白の花模様のワタシのタオルは無残にも茶色く染まった。
「つけるんじゃなかった(涙)」本気でそう思った。真新しかっただけにショックは大きかった。
遠足で下水処理場を見に行ったりして処理水は比較的キレイだった記憶もあるが、
当時住んでいた家のすぐ近くをいわゆるドブ川が流れていて、いつ見ても
妙にブクブクと泡が立っていたのを思い出す。

ある時、四国に渡るために大阪湾の船乗り場に行き、やはり海を見たくて切符売場から走って
桟橋まで行った。海は変な匂いがして、ゴミが浮き茶色く妙に泡立っていた。。。悲しかった。
極端な話かもしれないが、こういった海でとれるナマコやサカナはご遠慮申し上げたい。
食べ物のとれる海はキレイであってほしい。

「海の幸の豊かなところは山の水が流れ込むところ」と大人になってから話題になった。
おじいちゃんの得意料理だった「サワラのお寿司」のサワラも捕れないって言ってるなぁ・・・
#これについては乱獲が原因と言われています

カキの土手鍋、生牡蠣にレモンをキュッキュッと絞って食べるのもいいし
アナゴ蒲焼きにアナゴの天ぷら、干したタコは磯の香りがする。
いかなごとか生で貰った時にはしゃぶしゃぶみたいに食べるのもおいしいし
小アジなんて釣る人は何百と釣るので南蛮漬けや酢につけて骨まで食べられる。
チヌやスズキのお刺し身にサザエやあわび。シタビラメなんて一夜干しにされちゃう。
当然サカナを使ったカマボコや天ぷら(さつま揚げのような揚げ天)も有名だ。
瀬戸内海の東の方ではイカナゴの釘煮が名物だし、ママカリやシャコって関東では
珍しいからお寿司屋さんでも相当高いらしい・・・

瀬戸内に住んでいると周囲の友達を見渡しても肉がひとくちも食べられないって子はいても
魚がまるっきり全然駄目というのは、めったに出会えないものなのである。

実は、ワタシ自身子供の頃はサカナが大の苦手だった。「鮭茶漬け」でさえ逃げ回る始末。
瀬戸内に住むようになって恐る恐る魚を食べ始めた。
「あれ?生臭くない?おいしいかも。」
単純に出来ているものである、魚も肉や野菜と並んで好物になってしまった。
きっと子供の頃は流通がそんなによろしくなかったせいもあったのだろう。
今では生タコの刺し身なんて物が食べられるのに幸せを感じている。


実験と称した日々


石けんシャンプーに変えてから日に日に髪の手触りが変わってくるのを実感していたワタシの
のめり込みの速さといったら多分周囲から見ていて驚くほどだったと思う。
手っ取り早い所で台所の食器洗いに固形石けんを使ってみた。
有名レストランでも食器洗いには石けんを使ってるところもあるらしい。

いただきモノの化粧石鹸は数々あれど、台所に使うのは気がのらない。
米をとぐ前などは手は清潔にしなくちゃいけないし、匂い付きの物で洗えば米にその匂いが
染み込みそうで(水をさっさと変えないとヌカ臭くなるっていうし・・・)
いつもは無香性の台所用洗剤をほんの少し手に落として料理前には洗っていた。

「石けんの泡ですべるらしいから、気をつけなくちゃ」親の影響で陶器収集を10代からしていた
結構渋い趣味のワタシは日頃から比較的慎重に食器を扱う方である。
もし食器が何か事故で全部割れたりしたら多分何年か立ち直れないと思う。
そんなわけで軍手を片手だけして洗うとか、手袋をしてというのは何となく性に合わない。

高温で洗う食器洗い機から出した食器がキュッキュと音を立てるのをご存知の方も
いらっしゃると思うのだが、実際石けんで洗うとそれに負けないくらいの感触だった。
一番驚いたのは大きな鍋を洗っていた時、今までだったら水を何回か入れ替えて
ざぶざぶと水をかき回し、泡が消えるまで必死ですすいでいたのだが
「へ?」というくらい早く泡が消えてすすぎが出来た。

プラスチックの容器の隅っこだって、こするとキュッキュと音がする。
ガラスや磁器の器は水切れも、いつもよりずっと早い。「へぇぇ〜やるじゃん。」
新鮮な驚きは、これだけではなかった。

アレ?手がカサカサしてない・・・

肌はやたらと丈夫な方のワタシだが、水切れの早さを求めるのでお湯を使う。
さすがに今までの台所用洗剤では、少し手が白っぽくなってカサカサするので
ハンドクリームやオイルをつけたりしていたのである。
結局大量の洗い物をして手がふやけていただけで特にカサつきはなかった。

調子にのってステンレスのシンクやら水栓やら油がはねてちょっと汚いレンジまわりを
石けんを付けたスポンジでこすってみた。おぉぉぉぉ!ほんとにこのくらい感動した。
特にレンジフードのあたりは、めったに掃除することもなく(恥)油ぎっていたのだが
アクリル毛糸を編んだタワシでキュキュっとこすると今までレンジまわり洗剤を
使っていた時の比ではないほどヨゴレが落ちた。しかも拭きあげもラクでヌルヌルしない。
こんなに簡単に汚れが落ちるんだ・・・と悟ったワタシはガス台まわりのカバーを外した。
目障りに思っていたので、すっきりサッパリ。汚れりゃ拭けばいいんだし。

次にお風呂で体を洗う時もそれまで使っていたボディソープをやめ
しばらく純石けん1本でいくことにした。実験実験といいながら。
自分で使ってみなきゃ、分からない。納得できない。結構頑固なのかもしれない。
石けん2個を使い終わるころには、すっかり肌がサラサラになっていた。
今まで背中にブツブツと出来やすかったのに、出てこない。
そういえば少し暑い時でもあったのでシャワーばかりで湯船につからなかったのだが
角質が厚くなりやすいヒジまでもがゴワゴワしていないのだ。

これまた調子に乗ったワタシは、最後まで何となく使わずにいた洗濯用粉石けんに
手をのばすこととなるのである。もちろん家に粉石けんはないので、
あちらこちらのホームページで評判などを情報収集することにした。
そんな時に粉石けんプレゼントに応募して見事当選した。(「祝初洗濯」参照)
昔からある物だけれどヨゴレ落ちは実際どうなんだろう?
ワタシは以前は完全に石けんをみくびっていたのだが今回は違う。
もしかしてコレで洗ったら背中のブツブツ治ったりして?少し期待していた。


セッケンジプシーへの道



ブツブツ対策と癖毛対策で色んな基礎化粧品やシャンプーリンストリートメントを
探し歩いていたワタシの「探す対象」が変わった。
が、しかし純石けんという物になかなか巡り合えないのである。道は険しい。
「コマーシャルだけじゃなく物の本質を見てよく選んで買いなさい」
あれこれとCMを見ては買い、満足いかずにまた買い・・・を繰り返す母に突きつけられた言葉である。
母は特にこれといって悩みがないから言えるんだ。ずっとそう思っていた。
ワタシが途中で放り出した化粧品の行き場は彼女の元なのである。

化粧品をあれこれ選ぶみたいに石けんを選びたい!

と思ったワタシはお店に入っては「純石けん置いてますか?」と聞いてみたのだが
「中性か弱酸性石けんが普通ですよ〜」と言われる日々が続いた。
一体どこに行けば置いてあるの?インターネット上ではたくさん見たのに。
「オマエは衝動的に動き出す、女の子なんだから考えなさい」と父によく怒られたものだが
やっぱりとうとう気になって石けん探しを始めてしまった。また、これが意外と置いてない物なのである。

この頃でこそコツは少しずつ分かってきた。
洗剤さん達が仲良く並んでるコーナーには、まず見かけない。
まずかけこむのは、石けんや無添加のコーナー。それから赤ちゃんコーナー。
お店によって品揃えもそれぞれ違うようである。
コレ!と思った会社には直接電話して取り扱い店を聞くというワタシ的には「荒技」にも出た。

この頃、地元の地方紙に海に関する特集記事の連載が始まった。
四国新聞のホームページにも「特集」として掲載されている
新瀬戸内海論「連鎖の崩壊」 である。

四国新聞 URL http://www.shikoku-np.co.jp/

http://www.shikoku-np.co.jp/feature/seto/rensa/index.htm

瀬戸内海のことのみならず、海外の例などもあげて書かれてあってワタシ的には
かなりヒットしたので興味のある人は読まれてみると面白いと思います。
2000年に本になって店頭でも売られています。

ある日、この連載に地元の「石けん」の記事が載った時に思い切って
保健所に電話をかけて、水道水の硬度を聞いてみた。

「え〜と、この辺では水源が河川水なけん(方言) 20〜30 ですね、
石けん使うには問題ないと思います
ただ、井戸水は違うけんね〜最低でも100くらいの数値があって
硬度の高い井戸では 200〜300 というのもあるけど ミネラルが多い分
心臓病なんかの発症率は低いですよ〜」

とオマケ情報も教えてくれた。
ワタシは石けんビギナーにしては恵まれた環境にいるのね・・・(ありがたや〜)
シャボン玉石けんのホームページに全国のおおまかな水道水の硬度が色分けされた
地図があったのだが、平均値よりもずいぶん低いということになるのかな?と思っている。


セッケンやめられまへん・・・


石けんを使い始めて約1ヵ月。
えいえいえ〜い!っとそれまで戴き物で置いてあった洗剤を不本意だが
欲しい人にあげて処分を始めた。男らしいと勘違いするほど潔い行動である。
一度はほとんど使い終わった洗濯洗剤の少しだけ残った物を粉石けんの箱の中に
入れられてしまい家族も好意でやってくれてるだけに文句も言えず「きぃぃ〜」っとなってしまった。
「混ぜられてはいけない、柔軟剤も必要ない。」洗濯機周辺に置かなきゃいいんだ。
いただき物はダンボール箱につめ、買い置きは粉石けんに変身し
ワタシ的快適洗濯空間を作って自己満足している始末である。

ワタシの髪は母でさえ驚くほどツヤが出始め、あんなに悩んでいた癖が陰をひそめだした。
暑い日に長い髪だと頭が暑い!と感じていたのに蒸れる感じがなくなった。
何度か粉石けんで繰り返し洗ったタオルや毛布、タオルケットに木綿の洋服
どれも分厚くなったと感じるくらい毛足が立ってふわふわの感触になってきた。
濃い色の服の色褪せが還元剤を使わずに戻って来たような気がするし
白のシャツなどは、襟ヨゴレが驚くほどあっけなくキレイになってしまった。
炭や土を触った軍手が洗濯石けんをつけて粉石けんで洗ってキレイになったのには
本当に恐れ入ってしまった。今まで駄目だな〜と思って捨ててきたのに。

石けんで洗った服はなんといっても着心地が違うのだ。
ワタシは普段着に Eddie BawerやL.L.Bean などの丈夫でガンガン洗えて
木綿で肌触りのいい服を着ることが好きなので、洗い上がりの違いに結構早く
気付いただけかもしれないのだが、そんなこんなで持っている服の再洗がマイブームなのである。

全身、着る物まで全て石けんで洗う生活に変えて肌の調子が上向いて来た。
今まで普段自分でもナカナカ見えないけれど背中のブツブツが出来るので困っていたのだが
これが治り始めた。スゴイ!と思ったり、やっぱりな(ふふん♪<得意げ)と思ったり。

友達にやたら色白で肌のキレイな子がいる。
温泉に一緒に行ったりする仲なのだが、彼女の肌は白いだけにとどまらず
吸い寄せられるような気持ちのいい手触りなのである。
ずっとずっと彼女の肌をうらやましく思っていたのだが、ここのところワタシの肌の手触りも
彼女に近づいて来たような気がする。気分を表現するとすれば「ムフフ」である。

これだけ熱く石けんを語れば「胡散臭い」などと思われるかもしれないのだが
#実際ワタシもそうだったような気がしなくもない・・・人は人、自分は自分って。
実は、あんまり人に教えたくないほどワタシ自身「石けん」を気に入っている。
感覚で言えば「この化粧品(シャンプー、ボディソープ)結構良かったよ〜」という感じなのだが
実は内心ちょっと「あんまり教えたくないな」というケチ臭いココロも働いている。

石けんに対する一般的なイメージというのが、以前のワタシがそうであったように
「なんだか時代遅れの古臭いオシャレじゃないもの」という感じなのだ。
例えば「いいよ〜」とすすめても「え〜」っと言われて散々説明した挙げ句
理解してもらえなかったら嫌だな〜という逃げの根性もある。
だからこそ、もっと「化粧品を選ぶみたいに石けんがあればいいな 」と思う。


ショウライノユメ


オンナとしてこの世に生まれてきたからには一度はコドモを産んでみたい。
幸いワタシはイトコ達の中では真ん中あたりの年回りになるので、赤ちゃんのイトコというのも
今までお目にかかってきた。集合住宅などに住んでいればベビーブームに当たることもある。
若い妊婦のおばちゃん(その当時のワタシから言うと)達もたくさん居て赤ちゃんと遊ぶのが
やたら楽しみだったこともある。

が、めちゃくちゃショッキングな事件(?)があった。ベトちゃんドクちゃんである。(今はもう大人だけど)
これでずいぶんへこんでしまったのを覚えている。びっくりしたというか。。。
お母さんになるということは大変なことなんだとコドモながらに思った。
あれから、かなり長い年月が経って原因が分かり少しだけ安心した。
でも、この頃話題の環境ホルモン・・・不安なんです。

将来迎える楽しい?妊婦生活にあたって「おいしくて、安全で、コドモも将来食べられるモノ」を
安心して食べたいし、コドモと一緒に海に泳ぎに行ったり、サカナ見たり釣ったり食べたり、
石けんで服を洗濯し、お風呂に入れ、親子すべすべ生活を送りたい。
ワタシの父が今言うように「昔の海はキレイだったなぁ」という過去形じゃなく
海はキレイだよなぁ〜と5年経っても10年経っても言い続けていたい。

石けんも洗浄剤として大量に使えば海に良くないとは思うのだけれど
自分のために、海のためにずっと石けんを使っていきたいなと思う。
そう、ワタシは海も海で泳ぐことも大好きなのである。
大げさに言うとワタシの人生は海がめちゃくちゃキレイなところから始まった。
それから先はめちゃくちゃ汚れた海も見た。
デートする時もケンカする時も海がいつも近くにあった。
今 瀬戸内海を目の前にして、せめてずっと変わらないでいてほしいな
などと思う今日この頃なのである。

あ、純石けんの定義についてはリンク先のホームページにもうめちゃくちゃ詳しくて
分かりやすいページがありますのでゼヒそちらをご覧くださいませ。


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